寝息を立てている那智の頬を撫でて、そっと顔を近付けて、唇を重ねる。
ファーストキスってのはどういう風に大事なのか、キスって行為がどういう風に大切なのか、ガキの俺には分からない。
だけど、確かに那智のファーストは貰った。
同時に俺は那智にファーストをやった。
俺等は確かに女子たちの会話に出てくる、ファーストって大事なキスを交換し合った。
本来、他人にやるべき大事なものを俺が貰った。
貰ったんだ、俺が。
その現実に背筋に衝動が走ったような気がした。
そして歪に笑みが零れた。
黒い笑いが口から漏れ、熱に浮かされている那智の頬を撫でる。
「那智は兄さまにファーストを奪われたな。
また一つ離れられない要因ができた」
ファーストで繋ぎ止められるかどうか分からないけど、酷く安定した優越感に浸ることができた。
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