ふたりぼっち兄弟 〜No.±0〜【BL寄り】


寝息を立てている那智の頬を撫でて、そっと顔を近付けて、唇を重ねる。

ファーストキスってのはどういう風に大事なのか、キスって行為がどういう風に大切なのか、ガキの俺には分からない。


だけど、確かに那智のファーストは貰った。

同時に俺は那智にファーストをやった。


俺等は確かに女子たちの会話に出てくる、ファーストって大事なキスを交換し合った。


本来、他人にやるべき大事なものを俺が貰った。





貰ったんだ、俺が。





その現実に背筋に衝動が走ったような気がした。




そして歪に笑みが零れた。

黒い笑いが口から漏れ、熱に浮かされている那智の頬を撫でる。




「那智は兄さまにファーストを奪われたな。
また一つ離れられない要因ができた」




ファーストで繋ぎ止められるかどうか分からないけど、酷く安定した優越感に浸ることができた。


⇒07