どうやら、俺はお母さんに嫌われているらしい。
ムズかしく言えば、う、う、う…疎ましく思っているらしい。
市民図書館に置いてあるこーじえんって辞書で知った。
だってお母さん、よく俺のことをいつも「産むんじゃなかった」とか「邪魔だけだ」って言う。
絵本読んでって言っても怒鳴るし、抱っこしてって強請っても怒るし、一緒に寝てって言ってもふざけるなのヒトコト。
ふざけてないのに。
俺はお母さんが好きだから、一緒に寝たいだけなのに。
ヒトリで寝るのは恐いし、寂しい、悲しいから、お母さんと一緒に寝たかった。
それだけなのに、お母さんは一緒に寝ることさえしてくれない。
昔々布団に潜り込もうとしたら、思いっきり叩かれた。
二度とするなとか言われたから、黙って布団に潜り込むことはやめたけど。
それでも何度か一緒に寝てくれたことがあった。
お母さんの気まぐれだって知ってる、でも俺には嬉しくてうれしくて。
誰かと一緒に寝ることは、ヒトリで寝るよりも、あったかいって知ってしまった。
だから俺は怒られる覚悟で、お母さんによく我が儘を口にしている。
……怒られるのが大半だけど。
「今日は一緒に…、寝てくれないかな」
スンッと洟を啜り、俺は寂しさを紛らわすようにコンビニに走った。
取り敢えず、お腹を満たさないと。
朝ごはんも食べてないんだ、俺。
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