けど無情にも服が捲し上げられた。
直に触れる空気の温度と、息を呑む声、それから「気持ち悪」嫌悪する声。
俺のズタボロの体を、痣だらけの体を、根性焼きだらけの体を見て、一同絶句しているようだった。
……気持ち悪い?
てめぇ等から突っ掛かって、人のプライベートに足を踏み込んでおいて、挙句その感想。
ざ け る な 。
俺は押さえ付けている手を振り払って、上体を起こすと椅子を引っ掴んでなりふり構わず、集団に投げ付けた。
悲鳴やら物音やらが充満する教室で、俺はまた椅子を掴んで感情に任せたまま投げた。
「下川っ、アブネェって!」
焦る声は澤山の声。
「ざけるな! 人の領域に入っといてっ、何が、何が気持ち悪いだっ! 俺の何を知ってるってんだ!」
完全に頭に血が上った俺は、机を掴むと引き出しから教科書やら横に掛けてる道具袋やらを落としながら、向こうに投げる。
大塚の横腹に当たったらしく、奴は腹部を押さえて片膝をついていた。
構わず俺は椅子やら机やらを投げて暴れた。
同級生の止めてくる声さえ、耳に入れず、後先のことも考えないで俺は暴れに暴れた。
「し、下川! やめろ!」
担任が教室に飛び込んで、俺を止めに入るまで。
止められた俺は糸が切れたかのように、その場に崩れて荒れていた呼吸を整えていた。
嗚呼、やっちまったな。
俺は目を閉じて、激情に流されたことを後悔した。し続けた。
相手を傷つけたことよりも、騒動を起こしてしまったことに大きなおおきな悔いを残した。



