ふたりぼっち兄弟 〜No.±0〜【BL寄り】



俺は那智だけしかイラナイ。

だから那智も俺だけをっ。



ふと俺は思いつく。



そうだ、那智に教えればいいんだ。
那智、今まで俺の教えは素直に聞いてきたんだし、言葉だってちゃんと教えれば覚えるし。

教えればいいんだ、那智に。
 
「なあ、那智」

「にいしゃ?」

「まだ分からなくてもいい。けど、よーく聞けよ」


キョトンとしながらおにぎりを頬張る那智はうんっと小さく頷く。

俺はそれを確かめて、那智に魔法を掛けた。
それは那智が俺から離れないための魔法。



「那智は兄さまが守ってやる。大丈夫。てめぇは何も心配しなくていいから」



だからな、那智。
俺を必要としてくれ。

俺を愛してくれるの、好きだっつってくれるの、てめぇだけなんだから。

父親も母親も、俺を好きだっつってくんねぇ。
てめぇが生まれるまで兄さま、ひとりぼっちだったんだ。


もう兄さま、ひとりぼっちはヤだからさ。


那智、ずっと一緒にいよう。
ふたりだけでずっと一緒にいよう。

他人は誰も彼もが俺を裏切りそうで恐い。
他人なんざ信用できねぇ。
他人は俺を助けちゃくれなかったんだ。


誰もだれも助けてくれなかった。


だけど、那智は俺を助けてくれた。
俺の弟になってきてくれた。俺の家族になってくれた。俺を好きって言ってくれた。

そんな那智を俺は精一杯守るから、兄さまの傍にずっといてくれ。