ずっと、こうして生きたいな。
那智と過ごして生きたい、どうせ他人は薄情者ばっかり。
信じていても裏切られるだけ。
きっとそうだ、友達作ったって、イジメとかそういう問題あるし。
大きくなって恋人とか作っても裏切られて、捨てられて、廃人。
他人を信じるからそういう目に遭うんだ。
でも、だけど、那智は違う。
絶対に俺を裏切らないし、こうしてお祝いだってしてくれる。
小さなガキでも、俺を喜ばそうと一生懸命だ。
那智は裏切らない、俺を絶対に裏切らない。那智は俺を愛してくれる。大好きだって言ってくれる。いつだって、どんな時だって。
「那智、兄さまのこと好きか?」
「しゅき! あんね、おっきい好き! んーっと、これくらい!」
両手を広げて好きの度合いを見せてくれる那智は、まだ足りないと顔を顰めて大きな物を探し始める。
嗚呼、可愛い。
俺は那智の直向きな気持ちに心打たれていた。
(那智は俺のことを好きだって言ってくれる。
小さいのに“俺の兄さまでありがとう”って言ってくれた。
那智は俺を必要としてくれる。一人の人間として見てくれている。母さんとは違う)
だけどいつか、那智も大きくなって、友達や恋人に目を向ける日が来るに違いない。
兄よりも友達や恋人に…、そんなの嫌だ。
なんで那智を取られなきゃなんないだ。
俺がずっと、生まれてからずっと看てきた弟なのに。
これからだってずっと俺は、那智を、那智だけを。
どす黒い感情に襲われ、次第次第に支配される。
―――…那智が外の世界さえ知らなければ、俺だけ欲しれば、俺だけの那智になれば。



