ころんっと那智が後ろにひっくり返りそうになる。
間一髪のところで体を受け止めた俺は、「那智!」危ないだろって注意。
怒られてるにも関わらず、那智は笑って俺の体に抱きついてきた。
今日の那智は朝からハイテンションだな、んと…にもう。
「にいしゃ、しゅき」
べったり甘えてくる那智の頭をクシャクシャに撫でてやる。
俺はとことん那智に甘いようだ。
ハイテンションの那智はブランコを堪能した後、俺をブランコに乗せて押そうと頑張ってくれた。
「むぅ」前後になかなか揺れないブランコを押そうと頑張る那智の努力に免じて、俺はこっそりと自分でブランコを動かし、「すげぇな」那智を褒めてやった。
こうして那智は更にテンションを上げて、ブランコから砂場へ。
俺と山を作ってキャッキャ騒いだ後、汚い手のまま滑り台を滑って那智は公園を満喫。
小さいくせに動き回るもんだから、俺の方が先にバテてきた。
「那智。ちょっと休憩しよう」
滑り台の階段をのぼる那智は、「これでさいご」返事しててっぺんまでのぼる。
俺は微苦笑を零して那智の様子を見守ってたんだけど、公園に親子連れがやって来たのを視界の端で捉えて、思わずそっちを見た。
父母勢揃いでやって来た親子連れは、子供とキャッチボールを始める。
俺は顔を顰めて、親子連れから目を背けた。
だってあいつ等、近所の奴等だから…、フン、近所の奴等なんてクソ食らえ。
近所の奴等は俺が母さんから叩かれてることを知ってて、尚且つ俺が助けを求めても見向きもしなかったんだから。
「ん? おい、あの子達。例の」
「ええ、そうよ。下川さんところの…、」
それでもって可哀想だって目を向けてくる。
なんだよ、そんな目で俺を見るなよ。
そんな目で見るならどうして、助けてくれなかったんだよっ。



