ふたりぼっち兄弟 〜No.±0〜【BL寄り】



「んじゃ、那智。『兄ちゃん』って分かるか?
ちょっと難しいけど頑張ってみような。

これも俺のことだぞ?」


「にいしゃのこと? うー…んとね、『に』と…、『い』と…、これと、これ」


んんん?

俺は首を傾げて、ひらがな表を見つめた。

もう一度指で俺に教えてくれないか、那智に言えば、「はい!」元気よく返事して那智はひらがな表を指差してくる。


「これと」『に』を指差して、

「これに」『い』を指差して、

「これで」『ち』…ち?


「これ!」『ま』…まぁ?



………。


兄ちま?



「あ、しゃかなしゃんのしゃだから、これ」



那智は『さ』を指差して、訂正をしてきた。

つまり那智は俺のことを…、あれ? 俺のこと、兄ちゃんって呼んでるんじゃねえのか?


目をパチクリして、俺は自分を指差した。


「俺、兄ちゃんだよな?」

「はい、にいしゃです!」


「……。兄ちゃん。治樹兄ちゃん」

「にいしゃ! はるきにいしゃ!」


「んじゃ、はるきにいちゃ」

「はるきにいしゃ!」


「………」

「ん? にいしゃ、なち、チガウ?」