ふたりぼっち兄弟 〜No.±0〜【BL寄り】



そうそう、俺、お母さんに初めて褒められた(気がする。俺の記憶上)。

 
あれは確か下の子ができるって知って一週間後のこと、真夜中にお父さんとお母さん、子供を産むか産まないかで喧嘩してたんだ。

たまたま俺はトイレに行こうと廊下を歩いてたんだけど、喧嘩にびっくりして思わず立ち聞き。
 
お父さんは子供をおろすように言ってたけど(「これ以上金を掛ける気か!」って怒鳴ってた)、お母さんはおろさないの一点張り(「金目当てだろ」ってお父さんは顔を顰めてた)。

最初の内はおろすって意味分かんなかったけど、おろすは子供を殺す意味だって知った途端、俺は血相を変えた。

リビングで喧嘩してた二人の間に入って、一生懸命お父さんに頼み込んだ。


殺さないでって、俺の兄弟を殺さないでって。


お父さんもお母さんも驚いていたけど、俺はなりふり構わずお父さんに縋って懇願した。



「何でもするからぁ…、殺さないでよぉ…。
殺したら、ケーサツに捕まるんだぞ、お父さんっ。

だから殺さないでっ、俺の兄弟、殺さないでっ…、やだよぉ…絶対に殺さないでっ…ヤダァアア!」
 

 
ワッと泣き出す俺は殺さないでって声を張り上げて泣いた。

いつもだったらお母さんが叩いて泣き止むよう言ってくるんだけど、その時ばかりは機嫌が良かったのか、もっと大声で泣くよう言ってお父さんにニヤリ。