でも誰もアイしてくれない。
目が覚めたら、お母さんが俺に部屋を片付けるよう命令して、
「てめぇっ、何、チンタラ片付けてるんだ! あ、しかも皿割りやがったな!」
「ご…ごめんなさい! い、痛い、痛い!」
ヘマしたら、手加減ナシにぶっ叩いて。
恋人さんが一緒だったら、日頃のストレスを晴らすべく俺に当たって、
「お母さんの許可を貰ったから、今日も我慢ゲームしような? 治樹」
「あぁ…ゆ、許して下さいっ…、アア゛! アヅイ!」
恋人さんは怯える俺の姿を楽しむ。
まるでオモチャのように扱って。
久々にお父さんが帰って来ても、
「(あ…、おとーさんが帰って来てる)お帰りなさい、お父さん」
「ああ、治樹か」
「あのね。お父さん、今日お家にいるなら一緒にあそ…んで欲しいんだけど」
「忙しいんだ」
ぞんざいに俺を置いてお母さんのもとに向かう。
俺の話、おねがい、ちっとも聞いてくれない。
ひとりぼっちなんだ。
ご飯食べる時も、遊ぶ時も、イジメられる時も、ずっとずっとずーっと。
俺はひとりぼっち。
これから先もひとりぼっち。
誰も、俺の名前を呼んでくれない。
誰も、俺に笑ってくれない。
誰も、俺をアイしてくれないんだ。



