ふたりぼっち兄弟 〜No.±0〜【BL寄り】



「治樹兄さま、とても甘えん坊ですね。今日はいつにも増して甘え坊さんですよ?」

「那智にだけ見せるんだよ。なあ…、愛して? もっと、もっと、もっと」


「はい、喜んで―…、だからおれのことも愛して下さいね」



俺は那智に向かって歪んだ笑みを浮かべた。

ほら、こうやって弟は俺を求めてくれるんだ。

誰よりも弟は俺を求めて、愛してくれている。







思い描いていた未来図の形は違えど、俺は那智と今こうやってふたりぼっちで生きている。

裏社会で身を汚しながら、二人で手を結んで、生きている。


ふたりぼっち世界は俺にとって幸せだ。

傍から見たら不幸せかも知れないけど…、人の幸せの形って各々違うだろ?



俺は今、しあわせだ。

満たされる(でもすぐに飢える)愛情を貰ってるから…、何より弟とふたりだけで生きてるから。




ひどく、しあわせ、しあわせなんだ。





END