最近の俺はいつもこうだ。



那智が登校しちまった後、ひとりで部屋に残されては孤独感を味わって不安に溺れる。トラウマを思い出させる。
どうしようもない感情に俺は耐えかねていた。

普通の生活を送り始めてみて理解する。


こんなにも俺は那智に依存してるんだなって…。



だから正直、那智に学校生活のことを聞けずにいる。



ひとことで、「楽しい」って言われたら。
何がどう楽しいのか、俺のいないところで何をしているのか、もっと不安に襲われる。

那智には言えてねぇけど、毎日が不安だ。
俺は苦虫を噛み潰す顔を作り、手前で割ったマグカップや汚した畳を拭くために思い腰を上げた。

望んだ自由の果てに、こんな苦難が待ってるなんて、誰が想像するんだよ。



「俺には普通なんて向いてねぇのか」



力なく自嘲を零す俺がいた。


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