「ッ―…!」
「声を出したらお前の負けだぜ。夕食抜きになってもいいのか、治樹?」
背中に押し付けられた煙草の火種に、俺はガクガクと震える。
上半裸にされた俺は、向こうの都合の良いゲームに付き合わされてるんだけど、そのゲームの内容はいたってシンプル。
恋人さんの押し付けてくる煙草の火種に悲鳴を上げない。
悲鳴を上げたら俺の負け。
悲鳴を上げなかったら俺の勝ち。
ルールはそれだけ。
我慢ゲームとはいったもの。
悲鳴を上げれば俺の負けは分かるけど、悲鳴を上げなかったら俺の勝ちの“勝ち”がいつなのかまったく見えない。
懸命に声を押し殺すけど、火の熱さには耐えられない。
押し付けられる度、身悶え、「ぅぁ…」微かにだけど声が漏れる。
それでも涙を滲ませながら、俺は一生懸命に下唇を噛み締めた。
我慢すれば終わる、いつものことだから。
お母さんの暴力も我慢すれば、いつかは終わる。
いつか―…。



