とにもかくにも俺は那智に夢中だった。
こいつが生まれた時からずっと、ずーっと。
おかげで那智も俺に夢中、俺だけを愛してくれる。
これも因果応報。
善し悪しの行いで結果が返ってくる。
両親は手前の行いで飼い犬の俺等に手を噛まれた。
今や飼い犬の暴走は誰にも止められない。
俺は手前の行いで六つ年下の弟に一杯の愛情を注がれている。
そんな弟に、俺は夢中。熱中。溺愛。
弟に溺れて生きている。
同じ状況下に置かれている那智もまた、溺れて生きているに違いない。
那智と愛情に溺れて、その愛に溺死するなら本望。
そうだと思わねぇか?
なあ、那智?
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