ふたりぼっち兄弟 〜No.±0〜【BL寄り】


腕の中の温もりを貪るように、抱きすくめる。

アッタカイ温もりが愛情に渇いた心に潤いを与えてくれた。


「治樹兄さま」


名前を呼ぶ、その舌足らずな声が俺を満たしてくれる。

こいつは俺の、俺のなんだ。

他人になんざやらない。ガールフレンドも作らせないし、恋人だって作らせない。友達だって作らせて堪るか。



こいつは俺だけのものなんだ。

俺が那智を面倒看て、育てて、守ってきた。


これから先も俺は那智を守っていく。




守っていくんだよ。




「那智、兄さまの傍にいるんだぞ」

「はい」



不安な俺は那智に魔法の呪文を掛ける。

ガキの時に作った魔法の呪文、那智が俺から離れない(離れられない)魔法の呪文を何度も唱える。


「他人になんか気をやるなよ。他人なんか…、裏切るだけだから。
那智は俺を裏切らない。何があっても傍にいてくれた。だから俺は頑張れたんだ」


ぎゅっと腕の力を強くする。

そしたら那智も強く、俺の体に顔を埋めてきた。


「いつもおれを守ってくれた、大好きな治樹兄さま。
おれは兄さまのためなら何だってできます。

だって兄さまがこんなにも好きなんだから」


包み込むような愛情溢れた言葉。

涸渇している心にまた潤いが与えられ、欲深い俺はもっと言葉を、温もりを、愛情を求める。