「こうやって18年間分、あ、那智は12年間分か。
とにかく、十年以上の鬱憤をこうやって晴らしてもいいんだぜ? オカアサマ」
クツクツと笑う俺は、完全に怖じている母親に鼻で笑い胸倉から手を放す。
「片付けろ」俺は割れたワインボトルを指差して命令。
次いで、もう一つ。
「あんたの支配は今日で終わりだ。
既にすべての準備は整ってる、あんたの支配を崩す準備がな。
これからあんたはもっと地獄を見るだろーよ。
見たくなきゃ、俺等の命令に従え」
目を白黒させている母親。
乱した髪をそのままに、小さく、頷いて見せた。
身の危険を感じたんだろうな。
このままだと俺や不良に暴行を与えられる、ってな。
ニヤリ、俺は口角をつり上げて次の命令。
「俺と那智は今日からこの家を自由に使わせてもらう。
あんたは九時以降、部屋から出るな。外出は許可してやってもいい。俺はあんたみてぇに鬼じゃねえしな?」
けど家の中じゃ九時以降は部屋に引き篭ってもらう。
んにゃ、八時にしてもらおう。
八時以降部屋から出たらどうなるか、よーく考えて行動を起こすんだな。オカアサマ。
あ、そんなに怖じた顔作るなよ。
あんたが俺等に強要してたことじゃねえか。
「謂わば、今の俺はあんたの教育のおかげだぜ。教育の賜物とは言ったもんだ。暴力バッカ振るってた母親に、俺は似ちまったのかな?」
クツリ、俺は喉を鳴らすように一笑を零した。
「さあて、ちょいショータイムといこうか?」
「な…っ」
「怖がるなって…、せっかく不良達が来てくれたんだ。楽しもうぜ? なあ」
クスクス笑う俺と不良達。半泣きの母親。
完全なる俺の勝利だった。



