「警察沙汰になれば、あんたの素性、愛すべき家族にばれちまうな。
そしたら幸せな家庭もピリオド。
あんたは家族に軽蔑されて生きていかなきゃなんねぇ。
どんな顔見せるだろうな、御家族は。
マイホームパパが、実は別の家庭を持っていて、しかも虐待されている息子達を見捨ててた、なんて言ったら」
せせら笑って、俺は青褪めている親父に背を向けると忠志のバイクに跨った。
「ま…ッ」俺に声を掛けてくる親父に、
「一週間猶予をやるよ」
慈悲を与えてやった。
俺って超ヤサシー。
「良い返事を待ってるぜ、親父。
俺と那智のオネガイを呑んでくれるかどうか、その返事を。
もしも呑まなかったら…」
「俺等がアンタの家に押しかけてやるよ」
忠志がシニカルに笑みを浮かべ、俺も目を眇めてニヤリ。
「なんたって下川は俺等の仲間だからな。
あんた等のいいようにされてた仲間を、俺等も見過ごすわけにはいかねぇ」
ほら、不良達が俺を庇い立てしてくれる。
だからこいつ等は使えるんだ。
まずは一丁あがりってところだな。
俺はペロッと上唇を舐めて口角をつり上げた。
親父の身を萎縮する姿が大層、愉快で仕方がなかった。



