「治樹はどんな俺でも、普通に接してくれるだろ?
だから楽しいんだ。そして安心するんだ。
例えば俺が狂ったとしても…」
……優一?
「治樹なら今の態度を崩してくれないと思う。
『フザけるな』って言って、俺を一蹴するんだろうな。俺が狂ったとしてもさ」
その意味深な言葉に、俺は眉を顰めて思わず相手に視線を投げた。
代わってあいつは、教室の景色を眺めている。
「ずっとこの生活が続けばいいのになぁ」
ポツリと零して、失笑、目尻を下げる優一は俺に言う。
「治樹はそのままでいてくれよな。何があってもさ」
まるで未来を見越した、それは予言のよう。
「治樹ってめっちゃ性格難だけどさ、治樹のことを必要とする奴は絶対いるんだからな、
俺がそうだぞ。
いつだって俺、治樹の味方だからな!」
「あっそう」
「またツンするー!」
この時の俺は予言に胸騒ぎを感じつつも、それ以上思うことはなかった。
手前のことで手一杯だったから、胸騒ぎに、予言に、どうしても気付けなかったんだ。
近未来、俺にとって佐藤優一は数少ない“一生忘れられない”人間になる。



