「お前等も随分とお人好しだな…、気分に水差す光景だっつーのに」
「心配だったんだよ。
けど、まさか此処まで酷いなんて…、治樹、一旦たむろ場に行こうぜ。怪我の手当てしてやりてぇから」
「傷は浅いようだが、大事にこしたことはない。下川、たむろ場に行こう」
二人の心配と気遣いに俺は首を横に振る。
「いいんだ」
俺は此処にいる、素っ気無く返して上体を手前で支えた。
「母親の命令だ…、逆らうわけにはいかねぇ」
「治樹、でもっ!」
「いいわけないだろ、下川」
「分かってくれ…、頼む。あいつに今は逆らえないんだ。絶対に」
それから早く此処から去ってくれ。
あいつに気付かれたら、てめぇ等もアブネェから。
俺の偽善ぶった言葉に、孝之と忠志はできないと強く否定。
「頼むよ」一層強く懇願して、巻き込みたくないことを告げる。
「俺なら大丈夫だから。
お前等がいたら、俺、もっとデケェ罰受けちまうから」
二人は戻ってくれ。
微苦笑を浮かべる俺に二人は間を置いて分かったと頷く。
まったく納得してねぇ不良を見送る元気はねぇから、その場に座って別れを告げた。「また明日な」って。
二人はまだ顔を顰めている。
不良のクセに人情深い奴等だな…、んとに。



