ふたりぼっち兄弟 〜No.±0〜【BL寄り】



「お前等も随分とお人好しだな…、気分に水差す光景だっつーのに」



「心配だったんだよ。
けど、まさか此処まで酷いなんて…、治樹、一旦たむろ場に行こうぜ。怪我の手当てしてやりてぇから」

「傷は浅いようだが、大事にこしたことはない。下川、たむろ場に行こう」


二人の心配と気遣いに俺は首を横に振る。


「いいんだ」


俺は此処にいる、素っ気無く返して上体を手前で支えた。


「母親の命令だ…、逆らうわけにはいかねぇ」

「治樹、でもっ!」

「いいわけないだろ、下川」


「分かってくれ…、頼む。あいつに今は逆らえないんだ。絶対に」


それから早く此処から去ってくれ。
あいつに気付かれたら、てめぇ等もアブネェから。


俺の偽善ぶった言葉に、孝之と忠志はできないと強く否定。

「頼むよ」一層強く懇願して、巻き込みたくないことを告げる。


「俺なら大丈夫だから。
お前等がいたら、俺、もっとデケェ罰受けちまうから」


二人は戻ってくれ。

微苦笑を浮かべる俺に二人は間を置いて分かったと頷く。

まったく納得してねぇ不良を見送る元気はねぇから、その場に座って別れを告げた。「また明日な」って。


二人はまだ顔を顰めている。

不良のクセに人情深い奴等だな…、んとに。