こうして俺はリーダーの忠志と孝之に送られて家の前でやって来た。
俺の家は二階建の一軒家、傍目は金持ちな家に見えなくも無い。
「此処でいいから」
俺は何度も二人に頭を下げて、これ以上送ってもらうわけには行かないと微苦笑。
俺はちゃんと演じられてるだろうか、仲間面ってヤツを。
「いいんだぞ、家まで送っても。俺等を言い訳に使ってくれたって…なあ? 忠志」
「ああ、江島の言うとおりだ。下川、ついて行くぞ」
「いや…、いい。お前等は打ち上げ、楽しんで来い」
此処にいると辛気臭くなるぞ。
失笑を零して、俺は二人に別れを告げると家に向かった。
正直、計画のためだとはいえ、畏怖の念に駆られている。
どんな暴力が待ってるかと思うと…、傷付けられることを喜ぶ人間なんていねぇし、俺も人間だ。性格が歪んでても怖いもんは怖い。
傷付けられることに多大な恐怖を感じている。
そっとドアノブを回して玄関扉を開ける。
と、そこには母親が首を長くして待っていた。
片手には湯気を噴いているヤカン、片手には携帯。
嗚呼、罰の形が見えた。
母親は携帯のディスプレイを眺めた後、
「九時過ぎてるぜ?」
どういう身分で言い付けを破ってるんだと言うや否や、熱々のヤカンを俺に投げ付けてきた。
「ツッ!」頭から引っかぶった俺は、熱さに耐え切れず物の見事にその場に座り込む。



