ふたりぼっち兄弟 〜No.±0〜【BL寄り】


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現場に向かって喧嘩に参戦した俺は、久しぶりに骨のある奴等と手合わせすることになった。
最近、歯ごたえの無い奴等とバッカ喧嘩してたから、腕慣らしには丁度良い。

俺は日頃の胡散を晴らすために、時間も忘れて喧嘩に没頭。


嘘、時間は忘れちゃなかった。
けどわざと時間を忘れる振りをした。


那智に被害が及ばないことを願いながらも、喧嘩に没頭して、時間を潰して、また一つ計画を進行させる。自由を掴むために。



約二時間の喧嘩の末、勝利は俺等がもぎ取った。

不良達は誰もが喜びを味わっていた。勝利に酔い痴れるように、敵対していた不良グループへの勝利に感情を浸らせている。

そんな中、俺は仲間内の一人に時間を尋ねた。
 

「あと20分で九時だな」


仲間に教えてもらって、「そっか」俺はぎこちなく微苦笑を零す。


俺の様子に孝之と、この群のリーダー櫻井 忠志(さくらい ただし)が気付いて、送ろうかと気遣ってくる。


「喧嘩で勝利できたのは下川、お前のおかげだしな。俺と江島で送るぞ」


「あ…けど、悪いし」

「何言ってるんだよ、その様子からすると不味いんだろ? 送るって。
おい皆、治樹を送ってくるから」


孝之が皆に一声掛けて、俺にバイクに乗るよう誘ってくる。
リーダーの忠志も付いて来てくれるそうだ。


ってのも、俺が心配故にだろう。

 
不良ってのは社会から排除されがちだけど、こういう面じゃ出来た奴等だと思う。俺の見解だけどな。
少なくとも偽善ぶる大人よりかはマシだと思う。俺を含む、偽善ぶる大人よりかは。



―…なんでかなぁ、こいつ等とつるんでて胸が痛むのは。



もしかして俺にも良心ってのがあって、それに対して呵責しているのかもしれない。


馬鹿だな、俺はこいつ等を利用してるんだぞ。
これから先も利用するつもりなんだぞ。


呵責に苛むなんざ言語道断だろう。


心中で自嘲を零した。