俺は親子連れがいなくなるまでベンチに腰掛けて、空を仰いでいた。
親子連れがいなくなると、ベンチからブランコに移動。
途中、持っていた昼食のゴミを捨てて、まだぬくもりのあるブランコに座る。
片方のブランコは風に揺られてギィ…ギィ…、音を鳴らしている。
片方のブランコは俺が占領しているから、故意的にギィ…ギィ…、音を鳴らしてブランコを漕ぐ。
風を切ってブランコを勢いよく漕ぐけど、ちっとも楽しいとは思わない。
ブランコって子供たちがよく取り合いする遊具って聞くけど…、取り合いするほど楽しい代物でもないと思う。
ヒトリで遊ぶからかなぁ。
漕ぐことをやめて、俺はブランコの揺れを楽しむことにする。
前後に揺れるブランコ。
二人だったら、ひとりがブランコに乗って、ひとりがブランコを押して。
でも俺はヒトリだから、結局自分でブランコを漕いで、自分で揺れを楽しむしかなくって。
さみしい。
さみしい。
―…さみしい。
「さみしい…、ヒトリってつまんねぇ」
ヒトリがこんなにも苦しいなんて。
子供の俺にはこの苦しさが、どう苦しいか、言葉に出来ないけど、とにかくうんっと苦しいんだ。



