「おいおい、治樹。優等生くんのお前が、こんなところで油売ってていいのか?」
「優等生くんが煙草を吸っちゃいけねぇ法律なんざねえだろ? 吸うか?」
気さくに声を掛けてきた不良に俺はシニカルに笑みを浮かべた。
もう一つの顔、それは不良達とつるむ悪ぶった“裏”の顔。
つるんでいる奴等の殆どは中学時代、知り合った不良達ばかりだった。
進学しているしている不良が主だけど、中には進学していない不良や停学処分を受けている不良もチラホラ。
近所迷惑している不良達と俺はつるんでいる。
表向き仲間面を下げてな。
契機は中学時代。
たまたま昼休みに不良の数人から目を付けられた俺は、見事に呼び出しを食らって集りの対象になったんだけど(理由は俺が優等生で大人しい性格の持ち主だから)。
これまた偶然にも、そこに教師が通り掛って俺等の光景に疑心。
教師は俺の味方について、助けてくれようとした。
けど俺は、
「いえいえセンセイ。ボクは彼等と楽しくお話してるだけですヨ」
助けを一蹴。
不良達を庇う結果になった。
最初こそ何で不良達は俺の意味深な行為に、疑念を抱いてたみたいだけど、俺は皮肉に笑みを浮かべて言ってやったんだ。
「大人の助けなんざ偽善、助けられようとも思わねぇ。
どーせ手前の都合の良いようにしか、助けねぇんだしな。
それに俺、優等生じゃねえし?
勉強が出来るだけで、万引きは日常茶飯事だ」
奴等は俺の言葉をまるで信じてなかったみたいだけど、そこは有言実行。
試しにその日の放課後、そいつ等とスーパーで万引きをした。
喧嘩が強いってことも分かって、そいつ等は俺の言葉を信じ始める。
更に俺はそいつ等と行動を共にして喧嘩に参戦。
時につるんでいる仲間というべき不良を助けてみせた。それも何度も。



