許されない、キスをしよう。






照明さんの手で、私たち二人は照らされる。
カメラさんも位置にスタンバイ。




すぅっと息を吸って、今目の前に立つ愛しい人を見つめる。
芹葉にとって、洵は誰よりも一緒にいたい人だと思う。
洵といる一秒が愛しくて、楽しくて。

…きっと、芹葉はそう思ってる。





「…律萪ちゃん、いい顔してる。お互い頑張ろう。」

騒つく現場の中で、蒼は小さな声でそう言った。



私はしっかりとうなずく。





「ではいきまーす!3、2、1、アクション!」


カチンと小気味のいい音が鳴り響いた。