許されない、キスをしよう。




今は一人暮らし。
実家は地方だから、仕事をするのには不便だからと社長がセキュリティ対策万全なマンションを用意してくれた。




家について何気なくケータイを開くと、皆川さんからの着信が何度も入っていた。


…ヤバイ。
スタジオを出てから今まで、皆川さんに連絡するのを忘れていた。




覚悟を決めて通話ボタンを押すと、コール一回目で繋がった。


「律萪!?今どこ!」


「…すみません。家です。」

私が謝ると、受話器の向こうからほっと息をつく音が聞こえた。




「スタジオにいないから焦ったわよ。無事ならいいわ。明日こそ頑張ってもらわないと困るわよ?あまりにもヒドイようなら、降板だって考えなきゃいけないんだから。」


少し厳しい言葉をかけられる。
だけど、これは私を思っての言葉なんだ…。



「はい。頑張ります。…おやすみなさい。」


そうして、私は皆川さんとの電話を切った。