許されない、キスをしよう。






「今日は、ありがと。本当は…私のため、だったんでしょ?だから、ありがと。」




帰り道。
家まで送るという蒼の言葉を断って、駅まで送ってもらった。

もう夜遅くだから、人の姿もまばらだ。





「や、俺が一番楽しんじゃったしさ。付き合ってくれて、ありがとう。じゃ、また明日。頑張ろうね。」


蒼はそう言って微笑むと、じゃあねと言い残して私に背を向けた。





車のヘッドライトと、薄い街灯の光に照らされた蒼の後ろ姿を、私は見えなくなるまでずっと見つめていた。