許されない、キスをしよう。





タクシーを捕まえられないかと大通りまで走ってみたはいいものの、タクシーがなかなか来ない。



「…どうしよう、時間が…」

腕時計を見ながら、考えなしに飛び出してきた自分に情けなくなる。





…とにかく、走るしかない!
決心して、走りだした時だった。





クラクションの音が響いて、一台の車が私の目の前で急停車した。


「りっちゃん、乗って!」


「…ちぃくん、さっくん!!どうして…」


「いいから早く!」




ちぃくんとさっくんに促されるまま、車に乗り込む。




「偶然事務所に寄ったらさ、社長が涙目でワケわかんないこと言っててさ。皆川さんから詳しいこと聞いて、りっちゃんのことだからこうなってるだろうって思ってさ。」


車を運転しながら、ちぃくんが小さく笑った。