ドラマの台本は、芹葉が洵のもとを去るまで。
なのに、蒼はアドリブを入れてきた。
「…芹葉!」
名前を呼ばれて、反射的に足を止める芹葉。
「…俺、お前といれて、幸せだった。馬鹿げたことで笑ったり、すげー幸せだった。…今まで、ありがとな。」
…その言葉が、『洵』から『芹葉』ではなくて、『蒼』から『律萪』へのメッセージのような気がして。
蒼自身からの気持ちのような気がして…。
私の瞳から、自然と涙が零れていた。
微かに頷いて、また洵から遠ざかる。
そして、最後のプロデューサーのカットの声がかかった──…

