キッと爽を睨むと、 「冗談だよ。 起きるの遅いからさ、耳元でなんか言ってやろうと思ってさ?」 私から離れて、ドアの方に向かった。 そして、爽は私の方に1度振り向いて、 「飯食いに行くぞ。 早く制服に着替えろ」 ドアの取っ手に手をかけた。 「え……ちょ、待ってよ!!」 「外で待ってるから、早くしろ」 あ、待っててくれるんだ。 けっこういいとこあるんじゃん。 そんなことを思っていたら、 「あ、何? それとも、俺に着替えさせてほしい?」 と意地悪そうに爽は笑った。