そして12歳の冬、父親が事故により死んだ。泥酔状態で車道に入っていったらしく、不運にも大型トラックに轢かれ即死。

確かに父親の死に、少しは涙も出た。
一応彼は父親で、8年間は2人で過ごしてきたのだ。

けれどそんなことより、再び旭ちゃんと一緒に過ごせることが何よりも嬉しくて、父親の死はほどなくして私の中から消えた。

そしてそれからの中等部での3年間、今までの生活が嘘のように幸せだった。

隣に旭ちゃんがいる。
それが私の、全てだったから。





【PROLOGUE/side*SHIZUKU/END】