けれど刹那、バツが悪そうに顔を背けた旭ちゃんの態度によって、旭ちゃんが何に対して謝ったのかが何となくわかった。

―――だから、


「いいよ、大丈夫。」


旭ちゃんの手を握ってそう言えば、旭ちゃんは不思議そうに私の方へと顔を向ける。


「私は何があっても、旭ちゃんが傍に居てくれたらいいよ。」


そんな旭ちゃんにニコリと笑って願いを紡げば、旭ちゃんの表情も微かに緩んだ。


「――それは当たり前。だって……」


そこで一旦言葉を区切った旭ちゃんは、優しくあたたかい笑みを私に向けてくれる。


「この傷に、誓った。」


でも、囁くように言われた言葉に、何だかチクリと傷が疼いた気がした。





【CHAPTER:02/side*SHIZUKU/END】