同じ箇所に、同じ形。
自身の戒めのために、あたしは傷を残した。他人に何と言われようが構わない。これがあたしの、やり方だから。


「ねぇ、あーちゃん。雫とあーちゃんは、ずっと一緒だよね?」

「うん。あたし達は、お互いがいれば生きていける。」


そんな会話を交わしたのは、その傷を残した日。信じられないものよりも、お互いだけを信じようとそう誓った。

嘘だらけで、人を裏切ってばかりのこの世界に、あたしは何も望んではいない。けれどあたしがここに生きているのは、ただ雫がいるから。それだけにすぎない。

12歳で父親が死んで、また雫と一緒に暮らせたこの中等部での3年間は、今までのどの時間より幸せだった。

あたしたちの絆を、再確認できたような気がしたから。





【PROLOGUE/side*ASAHI/END】