――ヴヴヴ…



あれ?
またケータイ、鳴ってるし…



電話だったみたいで、相手を見てみると…



『夏兄』と表示されていた。



ありゃっ!!夏兄だ!!



あたしは戸田さんに断って、訓練場を出ると電話に出た。



「はいっ、もしもし?夏兄?」



『あ、水樹か?あのさ!!今係長から聞いたんだけど、お前SPに入るってホントか!?』



あぁ、SPのことか。
夏兄に言うの忘れてた…(笑)
夏兄、SPだもんね。
上司から聞いたんだな…



「あ〜うん!!あたし来月からSPなんだー♪第四係!!」



『んだよー!!それならそれで、さっさと言えよッ!!いきなり来るとかビックリすんじゃねーか(笑)』


「あははっ!!ごめん×2♪ま、とにかくそーゆうことだからよろしくねー♪」



『おう、頑張って第一係まで来いよ!!』



「分かってるって!!ばいばい!!」



『じゃーな』



――ピッ…



あたしは電話を切った。



夏兄は第一係だもんね。



あたしも絶対に第一係に行ってやるしっ!!



そしてあたしはケータイをポケットにしまい、訓練場に入った。



――パンパン!!



中に入ると、戸田さんが射撃訓練をしていた。



相変わらず戸田さんの射撃能力はハンパない。



あたしなんか比べ物にならないくらい…綺麗だし、上手い。



あたしがSPになれるんだから、戸田さんもなれるんじゃないの!?



戸田さんの射撃を見ていると、ホントそう思う。



「水樹、電話終わったか?」



戸田さんが射撃をやめて、あたしに近付いてきた。



「うんっ、あたしもやる〜♪♪」



あたしは耳当てとメガネをつけて射撃訓練に入った。