いつもなら、『なに聞いてんだよ』と言うとこを、今日は何も言えなかった。 繰り返し頭に流れるのは、母さんの言葉。 “仁のこと、好きでしょ??” ――…なぁ。 ことりは、なんて答えたんだ…?? 「“そうなんです”、だって。」 『……っ』 「“仁くんのこと、好きで好きでたまらないんです”って、ことりちゃん言ってたわよ。」 途端に、胸から何かが溢れ出したような気がした。