「あんた、受験校もことりちゃんに教えてなかったみたいね。 ことりちゃんが心配そうな顔して、“受験どうでしたか”って聞きにきたわよ。」 『……。』 「まぁ、まだ結果は出てないし、“わからない”って言ったけど。」 『……。』 なにも、言葉がでなかった。 確かに俺の胸に宿ったのは、ことりの温かい心。 あんな別れ方だったのに…、俺のこと心配してくれた。 気にかけて、くれたんだ。