西日はさらに強さを増して、室内の何もかもを眩しく照らした。 「美術部を辞めたのも、柊太のためだよ」 「そうよね」 「お母さんが、病気だったから」 「うん」 「ぜんぶ、諦めたんだよ」 ぼたぼたと涙がこぼれる。 違う。そんなこと言いたいわけじゃない。 違う、違うと、胸の奥、ドアを必死に叩くみたいに心が呻(うめ)く。