「きっと、広香は、 俺のとこに駈けてくるだろうって思った。 広香は、考えるより先に走りだすから」 それでね。 俺のせいで旅行をダメにしちゃうってわかってて。 そう続けた矢楚の目が 少し潤んだ気がした。 「会いたかったよ」 ありがとう、広香。 矢楚がそう言い終わらないうちに。 広香は、矢楚の頭を胸に抱きしめていた。