母は顔のあざや傷を手で示して続けた。 「上司に忠告されたわ。 家庭の問題を打開しないと、 その顔では接客させられないって」 「厳しいね」 「お給料もらう身だから、仕方ないわ」 それからね。 母は喉から絞りだすように言った。 「お父さんは、仕事を辞めたんですって」 「えっ!?」 「お給料の振込みがないから、勤め先に電話したら、先々月で解雇されていたの」 「酒がらみ?」 「遅刻が多くて、お酒も抜けない状態で出勤していたらしいから」