「…さっきの女子高生、千早を見る目がハートだったぞ?」 「だから?」 「女を惚れさせるなんて、罪な女だな。」 「んだよ?焼きもちか?」 「なっ!?…っんなわけねぇだろ!」 「壱と話してた子も目がハートだったぜ?」 「……焼きもちか?」 「んなわけねぇだろ。」 帰り道。 静かな住宅街。 ギターを背負う俺と並んで歩く千早。 俺も、千早も、どこかで浮かれていた。 まだまだ手探り、だけど確かに感じた手応え。 くだらない会話に花を咲かせて笑い合う。 そんな時間が、とても愛しく思えた。