ダブルベッド


 充は耳を疑った。

 泊まる?

 俺とか?

 頭に浮かんだのは沢田にもらったカードと割引券。

 いやいや、そういう意味でないのはわかっている。

 が、しかし。

 この周辺に宿泊できる施設なんて、その類いのホテル以外にあっただろうか。

「池田さん、その言葉、俺にどう聞こえてるかわかる?」

「わからなっ……くはない、けど……」

「この辺にはそういうトコしかないよ?」

「わかってる……けど」

「俺、まだ大丈夫だから」

「ダメ、ちゃんと眠って」

「それって、それなりの覚悟があるってこと?」