「ああ、それは」
沢田は足を組み直しながら少し笑って、
「あの時、フラれかけてたから」
「えっ? でも結婚するんですよね?」
「ははは、何とか乗り切ったんだよ」
一見冴えない沢田。
しかし侮れない。
人は見かけで判断できないといわれるが、本当にそうだと痛感させられる。
充はつい最近まで、彼の「デカさ」に全く気が付けなかった。
そんな自分がとてつもなくちっぽけに見えた。
「好きなんですね、毎熊さんのこと」
「好きじゃなきゃ結婚なんてしねぇだろ」
「キレイですもんね」
「まあな。でも美人は三日で飽きるぞ」



