「沢田さん!」 充は沢田に駆け寄った。 駆け寄るというよりは、食らいつくような勢いだ。 桃香を苦しめているのが彼なのだという……思い込みがあったから。 充は沢田の肩をガツッと乱暴に掴んだ。 「あれ? 木下?」 「あんた、こんなところで……」 何してんだよ。 と言う前に。 「あ、キノピーじゃん」 聞き覚えのある声に、思わず顔を向けた。 そこにいたのは、6月に退社した美人席の前任者、毎熊奈緒であった。 「毎熊さん……」 「久しぶり。元気?」 「は、はい……」