ダブルベッド


 今日、も?

 他に誰かと来たってことか?

 桃香の何気ない一言で、充はハッとした。

 沢田とのことを思い出したのだ。

 沢田と桃香の関係は一体どういうものなのだろう。

「木下くん?」

「ん?」

「どうしたの? 列、進んだよ。ちょっとだけど」

「ああ、うん」

 桃香が笑っている。

 自分に向けて。

「何か考え事?」

「まあね」

「あ、仕事のこと? 今はダメだよ。仕事なんて忘れて、富士山でも見てようよ」

 桃香が指を差している方に顔を向けると、乗り物を覆うような大きな富士山が見えた。

「おー、スゲーよく見える」

「でしょ? 富士山ってさぁ、カッコイイよね」