充は腕に力をキュッと込めた。 桃香も応えるように体重を預ける。 「怖いから、木下くんのうちに行っていい?」 充は少し体を放し、桃香の顔を覗いた。 桃香がまばたきをすると、その隙をついてそっと口付ける。 「来てもいいけど、帰さないかもよ?」 充が笑うと、桃香も微笑む。 「じゃあ、帰らない」 二人はしっかりと手を握り、再び歩き出した。 背後から射す夕日が二人の影を長く伸ばして、進むべき道を示してくれていた。 fin.