「あたしたち、もう30だね」 「そうだね」 「おじちゃんとおばちゃんだね」 「いやいや、男は30からだから」 「なにそれ。自分だけずるい」 髪型以外は5年前と全く変わらない桃香。 笑いながら、一歩こちらに近付いた。 「あたしのこと、待っててくれた?」 「待ってたよ。約束しただろ、待ってるって」 充も一歩、桃香に歩み寄る。 「ねえ」 「あのさ」 二人の声が重なった。