ダブルベッド


 声のほうを振り向くと、そこには花を抱えた女が立っていた。

 小柄でショートヘア。

 クッキリ二重の大きな目と厚めの唇が印象的で、小顔ながらも頬がふっくらしているのが可愛らしい……

「池田……さん?」

 女性はふと微笑み、こちらに向かってきた。

「お久しぶり、木下くん」

 桃香はそのまま石の前で屈み、充が挿した花を手で寄せながら自分の花を挿す。

 風はまたそよ風に戻っていた。

 手を合わせている桃香のショートヘアを優しく揺らしている。

 あまりにも突然で、充は言葉が出なかった。