ダブルベッド


「あなたをひっくるめて、その女の人をもらうって」

 その時、風がそよそよと吹き込んできた。

 挿したばかりの花が揺れる。

 例の「お兄さん」が反応しているのだろうか。

「でも、俺はそんなこと言わないぞ」

 風がぴたりと止んだ。

 充はそっと墓石に触れ、力強くこう言った。

「俺に憑いたからには、一緒に彼女を幸せにしような」

 その時、一気に空気が荒れ出した。

 強い風に、花が反対のほうを向く。

 そして、

「きゃあっ!」

 どこか聞き覚えのある、女性の声がした。