季節は秋。
5年と少しぶりで薄れかけている記憶を頼りに、やはり迷いながら目的の地へ。
「野崎家之墓」
と書かれた石には、古くなった花が添えられていた。
どうやら暫く手を付けられていないらしい。
充は枯れかけた花を抜き、買ってきた新しい花を挿す。
何となくではあるが、墓が喜んでいる気がした。
なんて、双子の影響だろうか。
影響されたついでに、充は「お兄ちゃん」に話しかけてみることにした。
「久しぶりだな……と言うつもりだったんだけど、あんた、俺に憑いてるんだって?」
当然墓は答えない。
お兄ちゃんとやらも、答えない。



