ダブルベッド




 充がその場所にたどり着いたのは、もう日が落ちてからだった。

 似たような石がたくさん並んでおり、目当ての石を見つけるのに何度も迷ってしまった。

「野崎家之墓」

 と書かれたそれは、街灯にうまい具合に照らされている。

 桃香はここで自殺を図ったらしいが、血の跡のようなものは暗くて見当たらない。

 もう警察が片付けたのかもしれない。

 充は買ってきた花を、恐らく桃香が供えたであろう花と一緒に花立に入れた。

 そして線香を焚き、手を合わせる。

 そしてぽつりと話しかけた。