ダブルベッド


「待つよ。いつまでも」

 それを聞いて桃香が少し微笑んだように見えたが、充はすぐに前を向き、病室を後にした。

 病院を出ると、オレンジ色の夕焼けが充の肌を焦がす。

 夜になれば多少は涼しくなるが、まだまだ残暑は厳しい。

 充はフッと一旦息を整え、再び歩き出した。

 歩くと風を受けて少し涼しい。

 充は電車に乗り込み、目的地へ向かう。

 自宅でも会社でもない、とある場所へ。

 自らの意思で行くとは思ってもみなかった、あの場所へ。