よかった、よかった。 一般の病棟に移ってきているとわかった時点で安心はしていたが、顔を見て安心した。 桃香は生きている。 力の抜けた充は、母親が出してくれた椅子に落ちるように腰をかけた。 「謝らなければいけないのは、僕の方です」 「え?」 「桃香さんがこうなったのは……僕のせいかもしれないんです」 母親は驚いた顔をした。 「木下さんでしたわね」 「はい」 「桃香とは、その、どのような関係で?」 同僚ではなく、他に。 という意味だろう。